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3つの「楽しさ」

 前のホームページで、新型コロナウィルスの関係で学校がお休みの時期に「お父さん、お母さんに話してほしい内容」として書いたものです。と言っても、特に学校がお休みでなくてもお話しできる内容なので、もう一度、こちらのホームページにも転載しておくことにしました。


「3つの楽しさ」  あのね、よくスポーツ選手とかが「楽しむ事が大切」って言うことがあるよね。それで、みんなの中には「何でも楽しくやればいいんだ」と思っている人もいると思うんだけど、でも、ただ「何となく楽しい」って思っているだけだと、スポーツ選手のようには、なかなか上手にならなかったりするでしょ。それで、今日は、この「楽しさ」って何なんだろう? っていうことをお話してみようと思うんだよね。それが分かれば、勉強もスポーツももっと上達するんじゃないかなって思うわけさ。


 それで、先生がちょっと考えてみたんだけど、実は「楽しさ」って一つだけじゃないんだって思ったわけ。大きく分けると「3つ」あるんじゃないかなって思ったんだ。それを、ちょっと難しい言葉で言うと「導入の楽しさ」「過程の楽しさ」「結果の楽しさ」。ちょっと難しい言葉だし、それだけだと分かりづらいから、順に説明していくね。


 まず「導入の楽しさ」っていうのから、お話しするけど、これは「興味」って言ってもいいかな。ほら、例えば、去年、ラグビーのワールドカップがあって、それを見て「わぁ〜、カッコいい〜」とか「ボクもやってみたい」なんて思った人はいないかな? 他にも、可愛い絵を見て「私も描いてみたい」とか、勉強でも先生の説明を聞いて「わ、それ、出来そう、その問題、解いてみたい」と思ったことあるんじゃないかな。  そして、ちょっとやってみて出来たり、もっと上手く出来たらいいな、と思ったり、そんなふうに、最初にそれを見て「興味を持った」り、実際にちょっとやってみたりして「楽しい」と思うこと。それが「導入の楽しさ」なんだ。


 そこから、実際に始めてみて、勉強だったら「良い点数を取った」り、スポーツだったら「試合に勝った」りして「やったー」って思ったりすることがあるでしょ。これが「結果の楽しさ」なんだ。


 でもね、ここまでだったら、テストが易しかったり、試合の相手が弱かったりすると、割と簡単に良い点数を取ったり、試合に勝ったりできるけど、問題が難しくなったり、相手が強かったりすると、そう簡単に、良い点数を取れなかったり、勝てなかったりするでしょ。それで、一生懸命勉強したり、厳しい練習をしたりするんだよね。そして、そうなると、ここで「イヤになっちゃう」って言う人、結構、いるんじゃないかと思うんだよね。まあ「イヤ」までは行かなくても「なんか、全然、上手く出来るようにならない〜」と思う人もいるでしょ?


 ところがね、スポーツ選手のお話を聞いてみると、実は「練習をいろいろ工夫している」んだよね。勉強でも、東大に入った人の話を聞くと、やっぱり、自分の勉強の仕方をいろいろ工夫していたりするんだ。そうやって「ちょっとイヤだな」と思ったことを「楽しく」出来るようにしたり、今まで出来なかったことが出来るようになって「よっしゃー」なんて思ったりする。それが「過程の楽しさ」なんだ。


 それで、今、3つ「楽しさ」を挙げたんだけど、この中で一番大事な「楽しさ」って、先生は「過程の楽しさ」だと思うわけ。というのは、本当に物事が上達していくのは、この「途中の練習」がなければならないでしょ。そして、普通の人は、ここを「楽しい」とはなかなか思えなかったりするんだよね。だから、みんなには、この「過程の楽しさ」を身につけて欲しいと思ってるんだ。

 そこで、先生は「過程の楽しさ」を身につけるための方法を2つだけ紹介するね。

 その1つはね「イヤな事を自分の得意なこととチェンジする」という方法。  例えば、社会や理科で覚えづらい事があると、それを「物語にしたり、歌にしたりして覚える」って言う人がいるんだけど、そうやって、自分の好きな事に変えて覚えると、それまでよりも「楽しく」出来そうだよね。こんなふうに、不得意な事を自分の得意な事で考えるって言う方法なんだ。

 もう一つはね「ちっちゃい目標を作る」っていうこと。  例えば、野球だと「ゴロだけをしっかり取れるように」とか、サッカーだと「フェイントを出来るように」とか、絵だと「目だけうまく描けるように」とか。勉強だと、今まで問題を解くのに「3分」かかっていたのを「2分50秒」で解けるようにする、とか。これなら、何とか出来そうっていう小さい目標を立てて、それをまず一所懸命やってみるのさ。そうやって小さな目標をたくさんクリアしていくと、最後には、全体的にすごく上手になっていると思うよ。


 ということで、みんなには、この最後の「過程の楽しさ」を自分で考えられる人になって欲しいと思っているんだ。そうすると、最初から最後まで「楽しい」まま、いろんな事が出来る人になれるでしょ。 もちろん、全部が全部「楽しい」にはならないかも知れないけど、10コ物事があったら「10コ、全部イヤだなあ」と思う人より「3コ楽しく出来るから、イヤなことは7コで済むようになる」っていう人になった方がいいし、もっとたくさん「楽しく出来るようになったら、その分、イヤな事は減っていく」よね。そうやって「楽しく」出来ることを増やせる人になって欲しいんだ。 だから、みんなの中に、もしも「イヤだなあ」と思うことがあったら、それを楽しく出来るように「工夫」してみようよ。

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