今回も2013年に書いたものですが、書いた時期がちょうど8月で、今見ておくのに、いい内容になっています。もちろん、専門学校を考えている人にも、気持ちの持ち方という点で参考になると思いますから、内容を確認しておいてください。
<これから、高卒の就職状況の情報が出てきます>
高卒での就職希望者に関する就職状況については、まず、10月までの状況をまとめた途中経過が12月頃に報告されます。新聞などで報道されますから、これをよく見ていてください。
ここでの就職状況は道内平均で、例年17〜19%くらいです。そして、この数値は、いわゆる「正規雇用」の人数と考えていいと思います。要するに、普通に就職した状態です。そして、ここで考えて欲しいのは、普通に就職できる子供達は、希望者の5人に1人いるかいないかくらいだ、ということなんです。
ここから、就職希望者の動向に変化が出てきます。一つは「就職は無理だから、専門学校に切り替えよう」というパターン。もう一つは「正規雇用は無理っぽいから、アルバイト・パートなどの非正規雇用でもしょうがないかな」と、非正規雇用まで視野に入れて就職活動を行うパターンです。
そこで、気にして欲しいのが「就職率」の数値のこと。
分かりやすくするため、ちょっと極端な数字で例をとりますが、
もしも600人いて120人が就職内定をもらったとします。この場合、就職率は 120÷600=0.2で、20%の就職率ですね。 そこで「この600人のうち、半分の300人が専門学校に切り替えた」とします。
すると、就職希望者は半分の300人に減りますから、就職率は 120÷300=0.4で、40%となります。 ということで「就職率」というのは、希望者が減った場合、実際の就職内定者数が変わらなくても高くなったように見える、ということなんです。
毎年、1月後半あたりに12月までの内定状況が出ますが、このあたりでは40%前後の数値になりますが、実際は、それほど内定者数が増えたのではなく、専門学校に流れた生徒が多く出ているため、というふうに言われています。報道関係も、この辺の事情をしっかり記事にしてもらえれば、もっとハッキリするのですが・・・。
そして、この辺までは、まだ正規雇用にこだわって就職活動する子が多い、というお話も聞いています。
ところが、年が明けると、そんな悠長なことを言っていられません。アルバイトでもなんでもいいから、とにかく働く場所を決めよう、という話になります。そして、最終的に3月までの就職状況が、道内平均で90%台に乗ってくる、ということになります。
就職率というのは「正規雇用(普通に就職と考えてください)」と「非正規雇用(アルバイト・パートなど。気を付けて欲しいのは、アルバイト・パートでも「就職した」という数字になります)」を合わせて90%になるということです。
さて、実は、ここで問題にしたいのは、就職を希望した子ではなく、途中で専門学校に切り替えた子の方なんです。
これが、最初から、将来の目標を決めていて「初めから専門学校に行く」という気持ちでいる子であれば、専門学校に行ってからの勉強もしっかりと行ってくれるようになるらしいのですが「就職が無いから」という理由で、途中から専門学校に切り替えた子、もしくは、最初から「遊べる期間を伸ばそう」という感覚で専門学校を選んだ子の場合、その専門学校すらサボって行かなくなってしまうようなんです。
特に、最初は就職希望、としている子の場合、基本的に「勉強嫌い」である場合が多く、資格を取るための勉強が真剣に行えない可能性が高い、と考えておいた方がいいでしょう。そして、その中でも、中3の学力テストが300点満点の100点未満の子については、基本的な学習内容〜例えば、小学校2年・3年の漢字すらまともに読み書きできないレベルになっている可能性が高く、資格試験どころか、専門学校で勉強する内容自体、満足に理解出来ない状況になっていると思っていた方が無難なんです。
ですから、中学校までの学力レベルが、ある一定にまで達していないと、専門学校に逃げたところで、就職できないという結果は同じ、と考えてください。
釧路で「基礎学力保障条例」が出来たのは、こういった状況になることを憂いたもの、と考えてください。結局、最低限の事が出来ないと、その場その場を取り繕ったとしても、最終的には、結局、うまく行かないのです。
こちらの方に入ってきている情報では、釧路市内の某学校の中3生は、その4割程度(もう、半数近くと思った方がいいかも知れません)が、300点満点の学力テストで100点未満の生徒となっているそうです。こういう学校の場合「周りもみんな出来ないから、テストが難しいんだ」「周りも一緒だから、自分も大丈夫」と思っていたら大きな間違いです。
ですから、将来のことを考え、基礎学力について、子供さんの状況をしっかり見直してください。また、条例がなぜ出来たのか、ということも合わせて考えてみて下さい。
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