ここでは、釧路の小学校と中学校の差はどこで生まれているのか、ということをお話していこうと思います。
それで、まず、データを見てください。これは、令和元年度の全国学力調査の結果をまとめたものです。
これで見ると分かると思うのですが、小学校はおおむね全道の平均とほぼ同じ。若干上回っているところもあれば、若干下回っているところもある、と言った状況です。
それに対し、中学校は全道の平均を超えているものは一つもありません。数学は壊滅状態ですし、国語も語彙力と文章を書く部分で全道平均を大きく下回っています。
さらに、それを細かく見たものが下のデータです。4ページ目を見てください。
4ページ目では、全国平均との比較になっていますから、全道平均よりも高い点数との比較になるのですが、小学校では国語は全国平均以上が17校に対し全国平均以下が9校。算数だと全国平均以上が12校に対し、全国平均以下が14校。これ、以前のデータを知っている人から見ると、かなり改善されてきているということが分かるんですね。国語で言うと、以前は大幅に低い学校も多かったのですが、今では2校まで減少しています。まあ、正直に言うと算数はまだまだで、特に数量関係が低いので、このブログで「%を教えよう」というコーナーを作ってみたのですが。
それに対し、中学校は見て分かる通りです。特筆すべきは英語で、英語というのは「中学校から本格的な勉強が始まる科目」なんです。ですから、英語がきちんとしていないということは、中学校の勉強がきちんとしていないということと同義。そして、全国平均を超えている中学校は1校しかありません。要するに、どの学校もきちんとした授業が出来ていないということなんです。
そこで、こういうデータをみるときに、例えば、どこか一つだけの学校が悪かったら、その学校の責任という見方をします。当然、市内全体が悪かったら、市内の教育の中心になっているところが悪い。全国的に悪かったら、文部科学省が悪い、という見方をするんですね。
そうすると、釧路の場合、小学校は比較的頑張っているのに対し、中学校がダメなんです。ということは、中学校の教育の中心になっているところが悪いということになります。ここに責任があるんですね。
それで、釧路の中学校の中心になっているところはどこか、ということなんですが、これが、もしも市教委ということになると、おそらく小学校も中学校もどっちもダメでしょう。でも、釧路の場合、中学校だけが極端に悪いんです。となると、責任は、中学校だけの中心セクションにかかってきます。
そして、これは、あくまで自分の個人的な見解になりますが、おそらく、学力の足を引っ張っているのは「中学校の校長会」ではないかと考えています。
というのは、自分が過去に学校の補習見学をしたときに、各学校の校長先生と話す機会が結構多かったのですが、小学校の校長は、ほぼ全員が「学力に関しては、家庭環境など様々な原因があるけれども、それに責任を押し付けてはいけない。学校がまず何とかしなければならない」という見解を述べていました。そして、補習見学にもおおむね好意的に招いてくれていたんです。
ところが、中学校の校長は、まず、自分たちの補習見学自体を好意的に思っていません。ほとんどが断ってきているんです。そして、見学に行った学校でも「なんで、うちの学校だけ、こんな面倒なことをしなければならないんだ」という不平不満を平気で口にするんですね。
また、釧路で「基礎学力保障条例」が作られるときにも、大反対したのが中学校の校長会の会長。道教委の高校配置計画地域別検討協議会に自分が行ったときに「裁量問題は対応できないからやめてほしい」と、直接、同教委に言っていたのも中学校の校長会の会長経験者だったんです。
ですから、このあたりの校長の意識が、子供たちの学力に、もろに反映されているのではないかと思っています。今後のことを考えると、中学校の校長会に意識を変えてもらわなければならない、と考えているのですが・・・・。
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