前々回で釧路の中学校が学力を上げられないという話を書きましたが、じゃあ、ノートの扱いがどうなっているのか、というところを考えてみます。
まず、プリントを貼り付ける形式が多い。実際に書く量はわずかで、残りは全部切り貼りです。そして、おそらく、全中学校でやっていると思われますが、定期テストの前・もしくは終了後に授業用のノートの提出があります。
このノート提出が、そもそも謎なんですよ。
普通、授業ノートと言うと、板書を写したり、授業中の問題を解くのに使うわけですから、授業中にどういうノートを書いているかということは、その段階で分かるはずです。いちいち提出させる必要がない。ましてや、ノート提出と言われて子供たちがやるのは、ほとんど授業中に配られたプリントの切り貼りなんです。こんな「ただ、切って貼ってお終い」で、定期テストの勉強になると思いますか?
これでは「そもそもノートが何のためにあるか」ということが分かっていないのではないか、と思われても仕方がないですよね。
それで「そもそも論」になりますが、授業用ノートというのは、授業中に子供たちが使う「作業のツール」なんです。黒板を写すのも作業、問題を解くのも作業、それを行う道具なんですよ。そして、そこに書いた内容を参考にして家で勉強をする。よく言われる「自分の参考書を作る」というやつです。
ところが、本来、ノートに写すはずの内容をプリントにして、それを配って「貼っておけ」とやるわけですから、子供たちの作業の分量が減った分だけ、学力が上がらない、という結果になるんです。
現在だと授業のデジタル化が進んで、タブレットを使っているところもあると思いますが、原理は同じ。タブレットであっても、きちんと子供たちに作業をさせていかなければ、子供たちの学力は上がりません。
結局、楽をした分だけ「力がつかない」という現象が起こります。
もしも、ここで楽をさせている学校があったら、それは「釧路の中学校のようになる」ということです。
さらに、そもそもの話なんですが、この「ノート提出」はどこが始めたかというと、自分の記憶にある限りでは、教育大釧路の附属中。そのノート提出の理由が「ここの内容は授業ではやらないから、自分たちでノートをまとめておいてください」で、要するに、授業内容をすっ飛ばして、その分を生徒にやらせたということなんですよ。
これ、酷すぎますよね。
ということで、そもそも何でノートを提出することになったのかというと、結局、先生が無計画な適当な授業をやって、その尻ぬぐいをするためなんですから、それに「右ならえ」をしたところで、学力が上がるはずがありません。
テスト前だと、教科書準拠の問題集をやらせたり、定期テスト勉強用のプリントを配って、それをやらせるのが普通で、そっちよりも「ノート提出が大事」とノート提出だけ義務付けている学校って、、ひょっとしたら、釧路だけなんじゃないか、なんて思ったりします。ひょっとして、他の地域で定期テスト勉強のタイミングでノート提出を義務付けている学校があったら、その学校も学力低迷になっているのではないでしょうか。
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