前のホームページでは2016年の6月に書いていましたし、ラジオの「ストップ・ザ・学力低下」で自分が出演したときにも話した事なのですが、それをリニューアルしてお届けします。
小学校で英語の授業がおこなわれるようになって「子供達が英語が得意」になったり「英語好き」になったりしているか、というと、どうやら、そうはなっていないみたいですね。子供達に「英語の授業ってどんな感じ?」と聞いても「なんか、遊んでるだけ〜」という感覚でいるようです。それもそのはず、小学校の5年生や6年生に、ネイティブの幼児教育のようなことをやっても、結局「そんな幼稚園児のようなことをやっても楽しくない」ですよね。それで、子供達の反応は「いまいち」ということのようです。
もう一つは「中学校へのつながり」が希薄なんでしょう。「小学校は小学校」「中学校は中学校」と「別物」と捉えているような感があります。 そこで、ここを直せば、少なくても「英語への抵抗感が薄まる」ということで、ちょっとだけ発音のテクニックを書いておこうと思います。
それは、英語には小さな「ッ」の発音が無い、ということなんです。例えば「アップル」。お父さん、お母さんだと子供のころに「リンゴは英語でアップルという言うんだよ」と教えられていましたが、実際に英語の発音を聞くと「全然、アップルじゃないじゃん」なんて思っていたこと、ありませんか?
さらに言うと、お父さん・お母さんが中学校のとき、初めてこの「アプル」を聞いたときに、ジャイアント馬場の「アポー」の真似をする子がクラスの中にいませんでしたか?
それで、よくよく考えると、この「アップル」って、実際の発音では、間に小さい「ッ」が入っていないんですよね。
もう一つ別の例で言うと「good」。これ「グッド」とカタカナで表記しますが、実際の発音は「グド」、もしくは「グード」。もっと言うと、最後につける「ド」はハッキリ「ド」とは言わず軽く「d」と子音だけをつけて言うんですね。ですから、正直に言うと最後の「d」はよく聞き取れないんです。以前、エド・はるみさんが「グー」を流行らせましたが、これ「good」のことですよね。ネイティブの発音を音だけできちんと聞くと、このように「グー」と伸ばしていて、最後の「d」はちょっと付け足しのように発音されるので聞き取れないため「グー」と聞こえてしまうんです。
ですから、小さい「ッ」は発音しないか、もしくはちょっとだけ伸ばす感じ。さらに最後が子音のものは、その子音を軽くつけるだけにして「キャット」は「キャt」「ドッグ」は「ドーg」と言えばいいんです。「アップル」は「アpl」になります。
さらに別の例を挙げると、北海道に来たアメリカ人は「札幌」をうまく言えずに、カタコト言葉で「サ・ポロ」と言いますね。要するに、元々、英語には小さい「ッ」が無いので、発音出来ないんですよ。
もう一つ付け加えると、実は、英語だけではなく中国語もそうなんです。中国人も小さい「ッ」の発音が出来ません。だから中国人が「行ってくるよ」を片言の日本語で言うと「イテクルヨ」になってしまうんです。
そして、ここからが大切なんですが、幼児や小学生のうちから英語に親しもう、と「ドッグ」「キャット」「ジェット」「ハット」「カップ」のように「ッ」を平気で入れて、なおかつ「アクセントも何もなしで全部同じ強さで発音」させてしまった場合、一生懸命「ウソを教えている」と同じ事になってしまいます。そういう子が中学校に入って、CDなどを聞いて「今までやってきたことと全然違う」と感じてしまったら、それは子供に「余計な抵抗感を与えている」という事になってしまうんですね。
当然、従来の英語は、こうやって「子供達に余計な抵抗感」を与えて平気で勉強させていたんです。それで英語に対する苦手意識がなかなか抜けないんですよ。ですから、もしもこういう事を子供さんにやっていたら、それは「英語を得意にするどころか、どんどん不得意にしている」ようなものなんです。
最近では「発音はあまり気にしない」という風潮になってきていますが、それでも「習った内容と実際に外国人と話した時の発音があまりに違い過ぎて聞き取れないレベルになってしまった」ら、それは、やっぱり抵抗感が出て、英語好きにはなれないと思います。
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