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宿題の適正量ってどのくらい?

 学力をアップさせる上で一番大事なことは「子供達に自力で勉強させること=自学力をつけること」。そして先生は、そのサポートをする人たちと考える事ができます。その考え方で行くと、最初から自分でできる子ならいいのですが、最初からそのようにできる子と言うのはわずかだと思います。そこで、子供達が自分で勉強する習慣をつけさせるための「宿題」は欠かせないものになります。そして、ここで考えたいのは、その適正量です。

 「ゆとり教育」になったときには宿題の量がグンと減りましたが、これは実感していた人も多いと思いますが、これでは、身に付くものも身に付かずに終わってしまいます。だからといって、大量の宿題で生徒の首が締まってアップアップしてしまうのも、決していいことではありません。やはり、宿題にも適正量があるのです。

 それでは、どこで見極めるかということですが、実は、実際に宿題の量をいろいろ変えて生徒の様子を見ると「ある一定量を超えたあたりから、生徒がグッと力をつけてくる」ところと「ある量を超えてから、逆に生徒の勉強の調子が悪くなってしまう」という上限・下限があることに気づきます。

 それを見極めるポイントは、下限の場合、ある一定量から生徒の問題を解く速さ・正確さが増してくる量と考えるといいでしょう。実は宿題の量が少なすぎると、生徒の方はダラダラ勉強してしまったり、何かの合間にサッと済ませてしまうため、あまり記憶に残らなくなってしまいます。ところが、この下限を超えると、今まで何かの合間に宿題を終わらせていた子が、きちんと机に向かって宿題に取り組むようになりますし、早く終わらせたいと思っている子は、少しでも要領よく終わらせようと頭を働かせる事になります。このラインにまず到達することが大切です。

 そして、これをさらに増やしていって上限を超えると、今度は「いつまでやっても終わらない」と勉強に対して投げやりな気持ちが生まれ、よく考えもしないで「分からない」と宿題を回避するような行動に出たり、雑にやってしまったりするようになります。そうなると、かえって悪弊を生むだけなんですね。

 最近では「ゆとり教育の見直し」などもあり、学校側でも宿題を少し増やす方向に向かっているようですが、それでも、まだ、宿題を全然出さないという先生も少なくありません。これでは生徒が自力で勉強できるようになるという面でのサポートは皆無と言っていいでしょう。「自分で勉強する内容を探すのも大事」とうそぶいている先生もいますが、小学生くらいであれば、自分で勉強する内容を探すという事が出来ずにいる子も多い訳ですから、まず、宿題を出して上げて、自力で勉強内容を決められるようになるまでのサポートしてあげるのが筋というものです。

 また、家庭学習で「何でもいいから勉強したノートを提出させる」という方法を採っている先生も実はあまり誉められたものではありません。小学生ではもちろん、中学生でも「何を勉強すると自分の力をつけられるか」ということを自分で考えられる生徒は本当に極少数です。大抵は楽なものに逃げてしまい、肝心の学力の向上が見られないという状況になるだけでしょう。  ですから、プロの目で吟味した宿題をきちんと出して、生徒の学力の向上を図る、というのが最低限の自力学習へ向けてのサポート体勢と考えましょう。

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