top of page
  • markun5

定着を図ろう-「分からない」の原因の一つは「定着不足」

 定着とは、練習をして、いつでもどこでもパッと頭に出てくる状態のこと。勉強に限らず、スポーツでも楽器の演奏でも、必要な感覚になります。例えば、スポーツで言うと、圧雪路面で滑って転んでも、そのとき瞬間的に柔道の受け身を行って怪我をしないようにするということ。音楽だと、音符を見た瞬間にパッと指が動いて音を出せるようになっているということ。こういう反応が出来るように練習を積み重ねて行くんですね。


 それを勉強に当てはめると、面積の公式がパッと言えたり、文章を読んで何の事を言っているのか瞬間的に判断したり、ということが出来るようになっているということです。


 ところが、最近の子供達は、面積の公式を尋ねても「え〜、習ったような気がするけど、分かんない」という答えが返ってきます。漢字の意味を聞いたり、言葉の意味を聞いたりしても同様なんですね。要するに「頭の中にきちんと入っていない〜きちんと頭に入るところまで練習していない」という状況なんです。

 で、これを克服するためには、その単元の内容をしっかり反復練習するということなんです。

 お父さん・お母さんの感覚だと、子供さんの勉強を見てあげるときに「とりあえず出来ているところはいいから、出来ないところを勉強しなさい」ということになりがちだと思いますが、同じ「出来ている」でも、時間をかけてウンウンうなって考えないと答えがすぐに出てこないと言うレベルであれば、まだまだ定着不足なんです。

 これは、比較的学力が高い子でも同様です。簡単な事がサッと判断出来ないと、上のレベルの勉強をしようと思っても、ただ時間がかかるだけ。おまけに正答率も低くなります。学校の教科書や、それに準じる問題集のレベルだと、どんな問題でもサッと読んでパッと答えることができるというレベルになっていかないと、上位校を目指す勉強がなかなか進んで行きません。

 もちろん、学校の先生は「黒板に書いて口で説明」という方法ですから、その瞬間・瞬間に理解がついて行かないと、先生の説明が分からなくなります。そのためには、先生の説明を「瞬間的に理解できる」というレベルになっていないと、授業にどんどんついていけなくなってしまいます。  学校の授業をしっかり聞く、というところを取っても、この定着が非常に大切で、説明を聞いて「訳分かんない」という子の大半は、今までに習って来たことの定着不足が原因である、と考えても差し支えないと思います。


 ですから、単に分かる・出来るで終わらせずに、サッと出てくるレベルまで、基本の定着を図ってください。特に「ここは出来るから大丈夫」と思っている場合の方が危ないと思います。

閲覧数:10回0件のコメント

最新記事

すべて表示

説明は一気に最後まで

子供にキチンと話を聞かせられるようになったら、次のステップは「よどみなく最後まで説明しきってしまう」こと。 例えば、お母さん方でも、経験があると思いますが、誰かと真剣に話をしていたとき、ちょっと電話が入ったのでそちらに出てから、もう一度、さっきの続きを・・・と思ったとたん、「どこまで、話しましたっけ?」と言いだし、結局、その後は、あまり話しに乗り気にならず、白けた感じで終わってしまったこと、ありま

計算は「正確に、速く」

計算は「速く正確に」と言う言葉をよく聞かされていたと思いますが、これは、非常に重要です。現在の子供たちは、「思考力を強化」などと言われ、時間に余裕を持たせられる事が多いせいか、計算のスピードが非常に遅くなってきています。 ところが、こういった単純作業のスピードアップはとても大切なことで、天才と言われた野口英世やアインシュタインなども、実験や計算のような作業の速さと正確さは、他の追随を許さなかったと

子供の雰囲気に左右されない

若手の先生にありがち(中にはベテランでも?)だと思うのですが、生徒が割と積極的で一生懸命やっているクラスでは「調子よく授業が出来る」けど、生徒が乗り気にならないクラスでは「授業があんまりパッとしない」ということになる傾向にあると思います。これは、裏を返せば単純に「子供の雰囲気に流されている」状況であると判断しましょう。 これが指導力がしっかりしている先生になると、生徒の状況に関わらず「きっちりした

記事: Blog2_Post
bottom of page