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  • markun5

学力低下〜学力2極化の理由

<全国的な傾向>

 以前話題になった「学力の二極化」には、大きな理由があります。それは「カリキュラムの不備」と言うことなのです。ここでは、以前とどのように変わったのか、それを算数の立体に関する内容で確認してみましょう。


 ゆとり教育の学習内容大幅削減前まで 小学4年生〜直方体と立方体という単元で、辺の位置関係などについて学習 小学5年生〜体積・容積という単元で「直方体=たて×横×高さ」「立方体=一辺×一辺×一辺」などを学習 小学6年生〜立体という単元で、柱体の体積の出し方を「底面積×高さ」に切り替え、円柱・角柱の体積・表面積を学習       円錐・角錐などの錐体についても学習 中学1年生〜小学校全般の復習 円周率でπを使用 立体の切り口なども学習 中学3年生〜三平方の定理・相似な図形の計量の単元で、応用を学習

 学習内容大幅削減後 小学6年生〜辺の位置関係、および直方体の「直方体=たて×横×高さ」「立方体=一辺×一辺×一辺」などを学習 中学1年生〜小学6年生の復習       立体という単元で、柱体の体積の出し方を「底面積×高さ」に切り替え、円柱・角柱の体積・表面積を学習       円錐・角錐などの錐体についても学習 中学3年生〜三平方の定理で、応用を学習


 見て分かるように、削減前までは、単元を毎年つないで、以前に習ったものを忘れかけた頃にきちんと復習しながら進めているんですね。ところが「ゆとり教育時代」に導入された「削減」後は、ほとんど一発勝負。習ったときにしっかり身につけておかないと、どんどん勉強が出来なくなってしまいます。これは立体の単元だけではなく、他の単元にも言えるのです。

 そして、削減前までは「あまり勉強が好きではない」と思っている子でも、学校の勉強をきちんとやっておけば、それなりの復習をしてくれるので、知らないうちに学力が向上していった訳です。ところが、削減後は、復習をしてくれる機会が圧倒的に少ないため、自分できちんと勉強しておかなければ、学力がどんどん低下していってしまいます。


 実は、学習塾関係では、このカリキュラムを見た瞬間「これは勉強しない子は、どんどん出来なくなってしまうぞ〜」と大きな危機感を抱いたものです。案の定、勉強しない子はどんどん落ち込んでいき、結局、学力の低い子が一つの集団となってしまって2極化を招いてしまいました。


 新しいカリキュラムでは、この問題点が徐々に改善されてきています。とは言え、まだまだ不足。  自分たちが「宿題」や「補習」の事をうるさく言うのは、実は、この状況を憂慮しているからなのです。すなわち「家で復習をきちんとする」「忘れかけた頃に自分で勉強する」などの習慣をつけなければ、学校の勉強について行けなくなってしまうからなのです。  ですから、今すぐにでも家で復習をしっかりして下さい。それも、自分がついて行けなくなっている学年まで戻って、一通り復習を行って下さい。

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