本を読んだとたんに寝ちゃう・・・これ、マンガのような話なのですが、実際にこういう子、結構いるんです。
自分は、家庭教師ですから、塾に通ってうまく行かなかったとか、集団での指導に不安がある、というタイプの子を受け持つことが多いですし、家庭教師で国語を教えているという人も少ないようなので、他の先生ではなかなか気づかないようなのですが、学力に不安のある子の中で「字を読むと眠くなってくる」という子は、1人、2人じゃありません。かなりの割合で「字を読むと頭がボーっとしてくる」というタイプなんですよ。
それで、自分の場合、子供さんの勉強部屋を見る機会も多いので、そこからの見解を述べておきますが、もちろん、本を全く読まないという子は、やはり活字に弱い傾向にあります。でも、本を読んでいる子でも「本を読むと眠くなる」タイプの子は結構多いんです。中には、図書館から本を借りてきたり、普通の本などもそれなりに本棚に並んでいたりするんです。
ただ、本を比較的読んでいる割に「活字に弱く国語が苦手」なタイプの子は、他の子と決定的な違いがあって、小説関係が極端に少ないんです。どちらかと言うと、学校の勉強に直接関係がありそうな本がズラッとくるんです。
これを読書の時系列的に並べてみると、幼児からの読書の流れが「絵本」のあと、すぐに学校の勉強関連と来ていることが多いんです。
ここから推測されることなのですが、一つ一つ箇条書き形式で述べていきます。
まず、一つ目は「絵本から離れるタイミングが遅いのではないか」ということ。
これ、釧路だけじゃないのかも知れませんが、自分、学校の授業の見学に行ったときに図書室も覗いていたのです。すると、小学校であるにも関わらず、絵本の割合が非常に高い。図書室の本の3分の1くらいが絵本、なんていう学校もありました。また、市で運営している図書館でも絵本の割合が非常に高いんです。いわゆる「幼児教育」には熱心なのですが、そこから先が見えないせいか、いつまでも絵本を読ませてしまっているのではないかということです。
2つ目は「絵本から普通の文章の本へ移行がうまく行っていないのではないか」ということ。
流れとしては最初は「普通の絵本」から「字の比較的多い絵本」に切り替わり、ここからは絵の方を少しずつ少なくして「最初はやや絵の多めの本」。そして「挿絵程度の本」に切り替えて、最後に「文章だけ」と流れていくのが自然だと思います。
具体的に言うと「やや絵が多めの本」というと、子供たちに人気のあるところでは、男のだと「かいけつゾロリ」とか、女の子だと「ルルとララ」のシリーズなど。挿絵の本はかなりいろいろなものがありますから、そこにつなげる「やや絵が多めの本」の段階の選択がうまく行っていないような気がします。
3つ目は「本がお楽しみ」になっていないのではないかということ。
割と勉強に熱心な家庭で多いのではないかと思うのですが「本を読むこと=勉強」という感覚になってしまっているのではないかということです。単に「おもしろそうなお話だから読んでみたい」という感覚では読めていないような気がします。
でも、本来、子供にとっての読書は、こちらの動機の方が大切だと思います。ここから少しずつ幅を広げていく~例えば「学校で習った後、もっと詳しく調べてみたい」などのような、本を読む動機が少しずつ変化していくというスタイルが一番望ましいのではないでしょうか。
以上ですが、家庭での子供さんの読書について、何か考えるきっかけになってもらえればいいと思います。
実際に、国語が苦手と言う子は、国語のテストの問題で出てくる文章を読むだけで「眠くなってしまう」という現象が起きています。そこから頭が働かなくなってしまうんですね。
ですから、そうならないように、子供さんの家庭での読書の様子を見てあげてください。
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