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大人の目で見て善悪の判断をしておけばよい

 以前から良く聞く「怒れない」。お母さんから聞く話にも「どういうときにどういう注意や怒り方をしていいのか分からない」というものが結構多くあります。そういうお母さんに対して「こうやって怒れば子供は伸びる」といういったタイプの「怒り方のマニュアル本」らしき本が書店にもならんでいますが、基本は「お母さんの視点で判断すること」。本を読んで気持ちの入っていない怒り方をするくらいなら、感情を出さず口だけで説得しようとしているだけなら、その場のお母さん自身の気持ちを前面に出して怒った方が効果が高いと思います。

 そして、そういう中で子供達は「こういうことをしたら、周りの人がこういう反応をする」という事をパターン認識し、それがその子の人間関係の形成に役立っていくはずです。怒られる側の子供の気持ちに気を使い過ぎていたならば、その子は「自分のしていることが他人にどういう感情を与えるのか」分がからず育ってしまい、最終的に人間関係に悩む子になってしまう気がしています。実際「うちの子、友人関係がうまく作れない」とお母さんが悩んでいる場合の多くに見られるタイプだと思っています。

 そして、怒り方の基準も「親の視点」で考えて構わないと思います。例えば「人の嫌がることを平気でするのは絶対ダメ」という感覚のお母さんであれば、子供さんが「人の嫌がる事を平気でしているとき」に厳しく怒れば好いわけですし、「ルールをきちんと守らなければ絶対ダメ」というお母さんであれば、そういうことを子供さんがしたときに厳しく怒ればいいと思います。


 そして、そのお父さんやお母さんの基準がいわゆる「家訓」となっていきます。有名人のトーク番組などで「他の事はそうでもなかったけど、これをしたときだけはうちの親は厳しかった」などという話を聞いたことがあると思いますが、その「絶対許さない厳しく対応する部分がどこかにある」と言うことが、お父さん・お母さんに必要になっている時代という気がしています。

 以前のホームページでは、別の項目で「冷静に怒る」と書いていましたが、これはプロの「演技」です。先生が厳しく怒った方がいいと判断した時は、子供の目で見ると先生が「感情を爆発させているように感じている」と思います。ただ、そこまで徹底出来るというお母さんはまれな存在だと思います。ですから、「お母さんの基準」で判断して「これは子供のために良くない」と思ったらしっかり怒る、また、その逆で「これは子供のためにいい」と判断したら「誉める」ということで構わないと思います。

 ここで気を付けて起きたのは、お母さんの都合で怒らないこと。一番良くないのは、半分八つ当たりのようになってしまうケースです。それだけは肝に銘じておきましょう。

 「誉めて伸ばす」というお話も良く聞くと思いますが、これは「お母さんは子供の悪いところにばかりに目が行ってしまいやすいですから、少し誉める機会を増やしましょう」というレベルのお話なんです。「誉めるだけ」で子供を育てようと思うのは無理があるという感覚で考えていいと思います。

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