少し前に話題になった「ケーキを切れない非行少年たち」という本をご存じでしょうか? 内容をかいつまんで言うと「非行少年の中には、本来、こういう子供たちが問題行動を起こす前に、障碍者として手を差し伸べてあげなければならない子がたくさんいる」という話です。そして、その本の最初に出てくるのが「図形認識力」。非行少年に絵を写し書きさせると、点と線のつながりがおかしくなってしまう例が記されています。
それで、自分は、この内容を読んだときに、ちょっとドキッとしたんです。というのは、実は自分、「くしろ子ども未来塾」で、算数講座を担当していて、そこで、子供さんにテストをやらせているのですが、そのテストの「図形の写し」の問題の正答率が、思った以上に低いのです。だいたい、受験者の半分くらいしかできないんですよ。
具体的に、どんな問題か、というのは、次のページを参考にしてください。ここに出ているプリントの真ん中に書かれている「左の図を右の方眼紙に書き写しなさい」という内容です。
この「図形認識力」、非行少年の例でも分かるように、周りの人間がなかなか把握しづらいんですよ。話をしている分には普通なのですが、実際にテストの問題で出てくるとできない。こういうタイプの子が思った以上に多いんです。
さらに言うと、漢字やアルファベットなど、文字も正確に言うと「図形」ですから、ここが弱いと、文字が身に付きづらい子になっている可能性があるんです。当然、学年が進んでいくと、徐々に周りからおいていかれてしまうという可能性もあるんですね。
そして、本の中では、最後に矯正方法についても書かれているのですが、その方法はやはり訓練です。リンク先のプリントのようなものを実際にやらせて練習させながら、直していくということですね。その方法で実際に効果も出ているようです。
ですから、子供さんに実際にプリントをやらせてみて、もし、できていないようならば、遊び感覚で練習させてみてください。
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