「考える力」の最初の段階は「判断する力」。「このやり方で考えると答えが出る」ということを正しく判断する力が必要ということです。その判断の一番確実な方法が「パターン認識」。そこで、こちらでは「パターン認識からスタートする」と考えておくことをお勧めします。
まず手始めは 計算の手順です。「かける・割る」を「たす・ひく」より先に計算するという事を正確に行えるようになって「これが出てきたら、次に何をする」というつながりが頭の中に出来てきます。
また、算数の文章問題も本来であるならば「パターン別に分類」して、基本パターンを練習した後、そこから少しずつ「文章を変え」「見た目を変え」と、一瞬見たときには、全然違うように見えることでも、実際にやってみると「特定のパターンで解ける」ということを認識させられればオーケー。
これが出来るようになると、中学校の文字式、方程式も割とスムーズに対応できるようになります。中1の方程式で言うと「過不足」「年齢」「分配」「速さ(距離が等しい)」「速さ(時間が等しい)」など、割とスムーズに対応できるようになりますし、応用として図形などにも使えます。
そして、この「パターン認識」を習得するために、さらに前の段階で進めておいて欲しいのが小学生の「漢字」。ただし、単純に字をまるごと覚えるということではなく「へん・つくり」などの組み合わせで覚えるという方法です。「へん」や「つくり」意味を認識して「さんずいに青いと書いて清」という感覚で覚えていくうちに、パターンで物事を認識していく習慣がつくんですね。
そして、へんやつくりの意味が分かると、見たことのない漢字が出てきても正確に覚えやすくなりますし、意味も掴みやすくなります。ちなみに漢字が不得意という子に質問してみると、この「へん・つくり」の名称が曖昧な子が多く、これじゃあ漢字を覚えるのに苦労するだろうなと思わざるを得ません。そして、そういう子ほど「パターン認識」が苦手な傾向になるんです。
そして、これが出来るようになると「へん・つくり」の組み合わせで覚えられる漢字とそうでない漢字との区別がつくことになり、組み合わせが出来る字はその方法で覚え、そうでない字は一つ一つきちんと書いて覚えるようになっていきます。そういった作業を経て、分類しながら効率よく勉強していけるようになってきます。
ただ、以前からこちらの方でお話しているように、やはり「思考力をつけるためには基本の知識は最低限必要」で、漢字であれば「へん・つくり」の名称は最低限覚えておかなければなりませんし、数学の文章問題でも「基本パターン」は最低限練習して身につけておかなければなりません。そして、その知識が広ければ広いほど「パターン認識力」も高まっていくものなのです。
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