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何でもかんでも「難しい」では学力はつきません

 一つ前に「知識とスピード感」について書きましたが、実は、これを妨げているのが「何でもかんでも難しい」という感覚。難しいと言って時間をかけてトロトロやっていてもオーケーにしてしまうとマイナス効果になってしまいます。そして、これは、釧路の地域の風潮と言った方がいいかも知れません。それに待ったをかけようという話です。ただ、保護者の方にはちょっと厳しい話になります。


 実は、釧路のお父さん・お母さん(場合によってはおじいちゃん・おばあちゃん)は、何でもかんでも、ちょっと面倒な学校の勉強内容のものを見ると、すぐ「難しい」と言うんです。例えば、小数・分数の計算を見ただけで「あら〜結構、難しいわね〜」と言い出すような感覚なんです。これ、正直に言わせてもらうと「冗談じゃない」んです。このくらい出来てもらわなければ困るんです。そして、それが高じて、結局、かけ算の九九がままならない子が出てきたり、足し算・引き算のおかしな子が出てきたりするようになっていった、と思ってもらえればいいでしょう。

 これについては、全国版の算数検定の問題を見てもらっても分かると思いますし、もちろん、他地域から来ているお父さん・お母さんは「このくらい普通」という感覚で見ていると思いますよ。

 さらに、自分が以前にいた学習塾でも、簡単な計算練習プリントがあって、釧路以外の地域の先生は「易しすぎて、ウォーミングアップ程度にしか使えない」という感覚なのに対し、釧路の先生からは「もうちょっと易しくして欲しい」という要望が上がっていたんですね。また、某学習塾の中学校数学のテキストなどを見たこともありますが、薄っぺらで内容がほとんど無いテキスト。よく書店で「基本をしっかり身につけましょう」的な参考書が出ていますが、そちらの方がまだ難しいんじゃないかと思うくらいのテキストだったりします。

 さらに言うと、自分、学習塾時代には、全道の小学生が受験する「計算コンクール」系統の「標準テスト」の作成担当もやっていたんです。そのテスト、どの地域も正答率が8割以上なんです。そういう関係もあり、くしろ子ども未来塾のテストも自分が作成しています。見る機会があれば見て欲しいのですが、これが「標準(正直に言うと標準よりちょっと易しめ)」です。


 そして、これはたぶん、親の世代からずっとそうなんだと思いますが、易しいことしかやってきていないので、釧路の場合、子どもだけではなく、親も教師も、学習塾関係者も、このレベルのテストでも「難しい」という感覚に染まっているんだと思うんですね。

 ですから、これからは感覚を少し変えてください。

 分数・小数は「できて当たり前」。「速さ」の問題でも「は・じ・き」を覚えておけば、誰でも問題くらいはすぐ解ける、出来ないやつは「どうかしてるぜ」くらいの感覚で良いんです。もっと言うと、小学校の教科書って、基本しか載っていないんですよ。だから、教科書の内容はすべて「出来て当たり前」くらいの感覚で考えていって欲しいと思います。

 そして、子供さんが「難しい」と感じても構わないですから、まず、やらせて見せることです。出来るようになってからやらせようでは、結局、いつまでたっても出来るようにはならない、くらいに思っていてください。

 さらに言うと「できない子を出来るようにするのが先生の指導」なんですよ。

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