前回、前々回と「詰め込み」の話を書きましたが、実際に「詰め込み」と言われると「無理やり覚えろ」という感覚になる方も多いと思います。ところが、単に「無理やり覚えろ」と言ってもなかなか覚えてくれない子供さんも多く、これだと「時間対効果」で言うと、非常に効率が悪いですよね。
そこで、教える側はいろいろ工夫をしていくわけです。お父さん・お母さんだと「いい国作ろう鎌倉幕府」的な、いわゆる「語呂合わせ」などの覚え方を経験した方も多いのではないでしょうか。
そういった中で、物事を記憶させる上で一番効率のいいのは「子供さんの知識や経験につなげる」というもの。一番端的な例としては英単語で、テニスやバレーボールなどで、サーブ・レシーブを知っていれば receive はレシーブで、本来の意味は「受け取る」というものなんだよ、という話にしていくんです。
ただ、そういったことを行うためには、子供さんが知っていることや好きなことを把握していなければなりません。自分がゲームやテレビ、好きな歌手やアイドルの情報を手に入れているのもそのためで、なるだけ効率よく覚えさせようという魂胆なんです。
また、読書についても、単に語彙力が高まるということだけではなく、頭に入っている知識や疑似的な経験が多いほど、いろいろな物事と関連付けられるため「、新しいことを覚えやすいんですね。
子供さんに勉強を教えたり、物事を覚えさせる場合、すべて既存の知識や経験と関連付けるわけにはいきませんから、時には「無理やり覚える」ということも必要にはなりますが、効率よく覚えられるのであれば、なるだけ、その方法で覚えさせてください。
単に理詰めで「こうだから、こうだよ」式の教え方だけでは、うまく行かないことも多々出てくると思います。そして、子供さんの立場で考えると、結局「全部、無理やり覚えなきゃならないな~」となってしまいます。
ですから「詰め込み」から「無理やり覚える」という感覚を取り去って、子供さんに抵抗なく覚えてもらえるように、少し工夫を進めてみてください。
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