前回は「割合」の話でした。そして、いよいよ今回は「%」の記号が出てきます。
さて、ここで前回の話を振り返っておきますが、子供さんに練習させて、 2÷8=0.25 という数字や、4÷5=0.8 6÷5=1.2 など、いろいろな答えが出ている状況で、割合の話に入っていったところです。 割合というのは「元の量を1目盛りとしたときの、くらべられる量の目盛りになる」ということで、例であげた数字で言うと「赤のテープの5センチを1目盛りとしたら、白のテープの4センチは、0.8目盛りのところに来る、って言う意味なんだ」という話でした。
そして、この感覚は、すぐに理解するのが難しいので、もしも、子供さんがピンとこなくても、あまり、しつこく教え込まないでおく、という事でしたね。
元々「%の事をお父さん、お母さんから聞いていて、内容を把握している」という子や「別の問題で、元の数字を1として見る」という事を経験していたり、知識として持っている子でなければ、すぐに理解するのが難しいですし、そのため、小学校6年生になっても復習しますし、中学1年生でも「統計」の単元で「相対度数」と共に「%の復習」をする機会があります。ですから、今後、%に実際に触れて中身を実感していきながら、少しずつ復習していくカリキュラムにもなっているので、教えたばかりの時に焦ってはいけないといことです。
そういう事なので、もしも、ピンときていないようだったら、すぐに次の話につなげてください。 「でもね、小数で0.8目盛りとか、0.25目盛りって考えても、ちょっとピンときづらいでしょ? だから、この割合の数字を整数に直して、少しでも分かりやすいようにしたんだよね。それが%なんだよ」
そして、これに準じた話は必ずしてください。
なぜかと言うと、雑な説明をしてしまう人は、小数を%に直す方法を説明するときに、いきなり「0.01を1としてみる」とやってしまうんです。ところが子供さんの中には「なんで、そんな事をするの?」と疑問に思ってしまう子が出て来るんですね。そして、一旦、そう思ってしまうと、それが気になって、結果、その先の内容が頭に入らなくなってしまうんです。ですから、子供さんの感覚で納得できるレベルで構いませんから「なぜ、そういうことをするのか」という理由の部分の説明を必ず入れるということなんです。もちろん、子供さんが納得できるならば、上記とは違う説明でも構いません。後で小数点を2つずらすということになりますから、その理由になっていれば、お父さん・お母さんのオリジナルの理由でもいいですよ。
さて、ここから「小数を整数に直す」という作業になりますが、ここでは、実際に割合のときに出した答えを見て、それを整数に直してみようという流れで進めていきます。ここで「整数に直すには、小数点をずらす」ということで、右側に小数点をずらしてみせます。「小数点を1つずらすだけだと、0.25だと2.5になってまだ小数のままだし、5つずらすと25000になって、今度は0が有りすぎて、逆に分かりづらい。そこで、とりあえず、2つだけずらそうということになったんだ」。そして「0.8などは、小数点をずらして空いたところに、ちゃんと0を入れる」など、いろいろなパターンのずらしかたを見せてあげます。さらに「小数点をずらした数字だということがちゃんと分かるように、最後に%の記号を書くんだよ」と言ってあげましょう。そして、子供さんに実際に練習させます。
追加で入れておける知識としては「%」の記号は、数字の「100」を記号化したもので、「1」を斜めの棒にし、その両側に数字の「0」を書いたものです。だから「0」が2個入っているから、小数点を2個ずらす。小学校では直接習いませんがパーミルのお話をしても構いません。記号は「‰」。これは「0」が3個入っているから、小数点を3つずらせばオーケー、くらいに話しておければいいと思います。 このあたりを話しておけば、0.375を%に直して37.5%と%に直しても小数がでてくる場合「パーミルで375に直してもいいし、ちょっと小数になるけど、%を使ってもいいし、どちらでもオーケー。ただ、実際は、%の方がみんな慣れているから、少し小数になっても、%を使うことが多いんだ。だから、ここでは、全部、%の数字に直すようにしているんだよ」と%でも小数が出てくる理由がお話しできると思います。
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