%を教えよう(3)
- markun5
- 2021年1月3日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年1月13日
%を教えよう(1)(2)と続けて来た人は、いよいよ本筋の話しに入っていきます。ここでは「割合」を身につけさせようと言う話です。
そこで「割合」についてですが、教科書や問題集を見てみると、こういうタイプの問題が載っています。 「赤いテープが5センチ、白いテープが4センチのとき、赤いテープに対する白いテープの割合を答えなさい」 これが「%」に入る一歩手前の「割合」の問題ですね。
ここで、まず最初に子供さんにお話しするのは「割合=倍」ということです。 「割合って倍と同じで、○○倍と答えると倍の問題の答え。数字だけ答えると割合の答えになるからね。だから、問題を解くときも倍の問題と同じように考えるといいんだよ」 と話しておきます。先にそう言っておいて、子供さんに「割と簡単そうだな」というイメージを持たせておきます。
それから、文章の読み取りの練習をさせます。問題文をここで見せて、 文章に出てくる「白いテープの割合」というのは「白いテープは何倍ですか?」と聞いているのと同じ。だから、さっきやった「倍の計算と同じ式を作って計算すれば大丈夫」という内容の話をして、実際にここで問題を解いて見せます。 式 4÷5=0.8 答え 0.8 と書いておけばオーケーです。
ここで自力で文章を読みとって、答えを出せるようになっていれば、次に進みます。倍の文章問題であまり苦労しなかった子は、ここも比較的すぐに出来るようになります。
ただ、割合の文章問題は、これ以外にも「赤のテープをもとにしたときの白いテープの割合を求めなさい」というように、少しだけ言葉が変わったりしますから、少し言葉が変わっただけで読み取りが出来ないようであれば、一つ一つの文章で、先にやり方を見せて、それをなぞらせてください。そして、文章の形は変えずに、数字だけ変えて、何度も同じ様な練習をさせ、最後に、どの形で出てきても答えが出せるようにしていきます。
また、計算ミスなどで、答えを間違えてしまった場合も「ここの計算、ちょっと違うよ」「ここはさっきこうやったでしょ?」と一言でとどめておきましょう。そうすれば「あっ」と言って、子供さんが自分で直し始めますから。あらかじめ先に復習をやっていますから、そこで変に教えこまなくても大丈夫ですよ。
実は、大事な事なのですが、このように、あらかじめ復習をやっておくと、一言、二言で、サッと子供さんに教えることができます。あまりしつこく「ああしろ、こうしろ」と言われると、子供さんの方でも「もう、わかんないから、いい」と勉強を投げてしまうこともありますから、こういう「教える内容の段取り」というのは、すごく重要なんですね。
そして、ここまで出来るようになったならば、 割合の文章では「割られる数」の事を「くらべられる量」、「割る数」の事を「元の量」というんだよ、 と言って、「割合=くらべられる量÷元の量」という式を書いてあげます。学校でもこの式は書きますので、学校で習っている内容と同じなんだ、と子供さんが認識してくれます。
さらに、この段階で、一旦「割合の考え方」の話をしておいてください。 「本当はね、割合の考え方というのは、元の数を1目盛りとしてみたときに、くらべられる数の目盛りの事を言うんだよ。例えば、この場合、赤のテープの5センチを1目盛りとしたら、白のテープの4センチは、0.8目盛りのところに来る、って言う意味なんだ」
ただし、ここの内容、これまでに「全体を1としてみる」という考え方を経験している子であれば、理解しやすいのですが、そうでなければ、ピンとこないと言う子の方が多いと思います。(1)でも話しましたが「割合の感覚」については、このあと他の単元でも復習しますから、話の意味がわからなくなっているようであれば、
「ここは、今の段階では、ちょっと身に付きづらいところだから、もしも、ピンとこないようなら、最初のうちは、割合と倍は同じという考え方で問題を解いていけばいいからね。これからたくさん練習しているうちに、だんだん分かるようになってくるから」
と、話して、余計に分からせようとせずに、次に進んでください。もしも、子供さんが不安そうなら
「お母さんもそうだったから、大丈夫だよ」
と一言添えておくといいでしょう。
ちなみに、学校の先生の失敗は、こういうところで無理矢理、分かるまで教え込もうとするからです。理解するための土台となる考え方が身についていない限り理解は出来ないと考えて、無理に教え込もうとせず、その分の時間を使って練習させた方が、子供達のためになるということです。
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