外出自粛の冬休み。このチャンスに、子供さんの苦手な「%」をお父さん・お母さんが教えてみようというコーナーの第2弾。内容は「小学校5年生で初めて%に触れるときの内容」として書いていますが、小学校6年生でも中学生でも高校生でも、もしくはお父さん・お母さん自身の勉強でも構いません。ちょっと自信がないな、と思ったらチャレンジしてみてください。
それで、前回は「小数の計算を練習させる」という内容でした。ここがクリア出来ていれば、次の段階に進みます。今回は「小数倍の文章問題」に挑戦です。
実は、計算以上に出来ていないのが、この「倍の文章の読み取り」。「%」が分からなくなっている子の99%は、ここが出来ていません。ですから、いざ「%の問題を読んでも、何をどうしていいか分からない」となっているんです。ここを克服させようと言うのが、次のステップなんです。
まず、子供さんに「8は2の何倍ですか?」という問題と、その数字を入れ替えた「2は8の何倍ですか?」という問題を二つやらせます。このときに、よどみなくすぐに計算して 最初の「8は2の何倍ですか?」が「4倍」 次の「2は8の何倍ですか?」で「0.25倍」 という答えが出てくれば、オーケーです。 ただ、ここで迷ったり、少しでも悩んだりしているようだと、ちょっと危ない。少し練習を続けて様子を見てください。
一番、ネックになるのは、この「倍の文章」が読みとれない子は、後で出てくる「くらべられる量」と「元の量」を文章から読み取れないことになります。ここが大きな躓きになりますから、まず、倍の文章で、しっかり克服させておくということです。 少し練習をさせて、大丈夫なら次に進みますが、毎回、悩んでいたり、場合によっては、かけ算を始めたりする子も出てきますから、そういう子は、一旦、ストップして、お父さん・お母さんの方で、説明してあげましょう。
この倍の文章を読み取れない子の多くは「わり算は必ず、大きな数を小さな数で割る」と考えている子です。もしも、お子さんがそういうタイプであれば、 「小さな数を大きな数で割ることもあるんだよ。だから、ちゃんと文章を読んで式を作るんだよ」 と話してください。
ただ、かけ算なのかわり算なのかの区別がつかないとなると、理屈を説明しても、なかなか理解出来ない子になっている可能性が高いと思いますから、そういう子の場合は、単に「文章の形」を見せて 「○○は」を「○○の」で割るんだよ と教えておいて、とりあえず、答えだけ出せるようにしておきます。
この「答えだけ出せるようにしておく」というのは、とても大切な事なんです。 というのは、理解力には個人差があって、小学校5年生で習ったときには、その段階では理解が出来ないというケースも珍しく無いんです。お父さん・お母さんの子供の頃の話を聞いても 「私、%って、最初に習ったとき、何だか訳が分からなくて、勉強イヤだった」 という人も少なくありません。でも、そのときに、学校の先生がある程度、強制的に「計算だけでも出来るように」と教えてくれていたおかげで、年齢が上がって、理解が出来るようになったときに、初めてきちんと%を扱えるようになるんですね。
ですから、正しい計算さえ出来るようになっていれば、正しい答えを出しているうちに、実は「こういう意味だったんだ」と、割と自然に後で理解できるようになるのですが、ここを放っておくと、正しい方法がなんなのか分からないままですから、後になってからも、結局、正しい方法が身につかなくなってしまうんです。
現在では、学校で強制的にやらせるという事をしていないものですから、中学生になっても高校生になっても「%」が分からないままになっている子が多く、実際に、高校で小学生内容の「%」を教えているところもあります。でも、本当なら、高校に入学した段階で、最低でも「%」くらいは出来るようになっていて欲しいですよね。 そのため、今回、「%を教えよう」のお話をしているんですね。
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