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  • markun5

%を教えよう(1)

 もうすでに習っている所もあるとは思いますが、実際に「%の問題」って、子供さん、苦手ですよね。学校で習ってきていても、分からなくなっている子も結構多いです。そして、学校の先生の書いた授業の本で「%」の内容を探してみても、単に教科書をなぞっている程度で、きちんと指導法を書いている本は0です。おそらく、学校の先生も「%」の教え方は、うまく出来ていないんでしょうね。


 そこで、ここでは、せっかくこれから冬休みを迎えるわけですが、残念な事に、コロナで外出自粛にもなっていますから、こういう機会を使って、子供さんに、学校で身につきづらい内容を、お父さん・お母さんが頑張って教えてみよう、というコーナーです。ちょっと専門的な話もでてきますが、ここに書いてある内容をなぞってくれれば、大抵の子は、出来るようになってきますから、是非、挑戦してみてください。今回は、その第一弾です。

 それで、まず、この「%」での目標ですが、この「%」で子供さんが小学校のときに身につけておく内容というのは、大きく分けて2つです。1つは「倍の感覚」、もう一つは「割合の感覚」です。

 「倍の感覚」というのは、毎年、帰省の時期になってニュースでも取り上げられる「新幹線の乗車率120%」という内容。今年はコロナの関係で、これほど乗車率は高くはならないと思いますが、ただ、ここで扱われる%の意味は「乗車率120%=定員の1.2倍の人数が乗っている」ということですよね。それを大人になってニュースを見たときに、すぐに分かるようにしようということです。

 それに対して「割合の感覚」というのは「全体の50%」と言われて「全体の半分だな」という事をすぐに分かるようにしようという内容。ただ、この「割合の感覚」については、本当は分数で勉強した方が分かりやすいのですが、小学校5年生の今の時期は「分数の足し算、引き算」は習っていても「分数のかけ算、わり算」は習っていません。そして、%の内容については、この後「百分率とグラフの関係」を習う単元や、小学校6年生になってから「分数と百分率の関係」を習う単元が出てきますから、最終的には、そこで身につけばいい、くらいの楽な感覚で取り組んでください。


 ですから、%の一番最初の段階では「倍の感覚」が身につけばオーケーと考えてくれればいいです。今回の話も「倍の感覚」を身につけようという内容が中心です。


 それで、まず、一番最初に子供さんにやらせることは「小数のかけ算」と「答えが小数になるわり算」です。やらせ方は、最初に、%の単元の少し後ろの方をめくって、計算が書いてあるページを見せてあげてください。もちろん、学校ですでに習ってきている子なら「小数のかけ算とかわり算が出てきたでしょ」と念を押してくれればいいです。  次に、子供さんに 「ね、%を身につけるには、小数の計算がちゃんと出来ないと分からなくなるから、まず、最初に計算練習をするよ」 と話して、ドリルなどを用意して置いたり、お父さん・お母さんが紙に問題を書いたりして、実際に計算をやらせます。


 実は、%の内容が身についていない子の多くが「計算が出来ていない子」です。

 ここで、お父さん、お母さんが、いきなり「%はこうやって出すんだよ」と教えて計算をやらせ、それで、計算が出来ていないと「ほら、ここが違う、あそこも違う」となっていくんですよ。結果、全体がぼんやりしてしまって、何を勉強したのか、子供さん自身も分からなくなっていく。ですから「ほら、もう一度やってご覧」とやらせても、出来なくて、最後に「何度、同じ事を教えたら分かるの?」とお父さん、お母さんが説教を始めてしまう。これでは逆効果ですよね。


 ですから、%の内容を教える前に、子供さんが出来なくなっている原因を先に克服させて置いて、いざ%の内容を教えたときに、サッと計算して答えが出せるようにしておくんです。そうしなければ、子供さんは勉強内容を身につけられませんから。そこで、計算の練習だけ、あらかじめ、ちゃんとやっておくんです。  目標は「最低8割以上の正答」。出来れば「9割以上~満点」になってくれるといいですね。まず、ここをしっかりやってください。出来ていれば、次に進みます。もしも、なかなか計算が出来ない子がいた場合、無理して先に進まずに、まず、計算をしっかり出来るようにしてください。計算が出来ることの方が大事ですからね。


 それで、実は学校の先生でも、お父さん・お母さんと同様に、いきなり「%の計算はこうだよ」と教えて、いきなり問題を解かせ、計算の出来ていない子の側にベッタリ張り付いて教え込むという事になってしまっている人もいます。結果、早く出来た子や分からなくてオロオロしている子が騒ぎ出して、教室の中がグチャグチャ。もちろん、教え込まれた子も、結局は、出来るようになりません。その中で、出来ている子が出来ていない子を教え始めるケースも出てきます。よく「子供達が教え合うのも大切なことなんです」なんて言っている先生もいるのですが、それって、単純に「学習内容をどのように身につけさせるかが分かっていない」なだけなんじゃないでしょうか。  もちろん、そういう先生に当たると、残念な事に子供さんが%の内容を身につけられなくなってしまう可能性も高い。この辺りは、子供さんから授業中の様子を聞いてみてください。

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