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その場で出来ても「出来るようになった」と思わない

 お母さん方が子供さんに勉強を教えて、子供さんがそれで出来た場合「うちの子、出来るようになったわ」と安心してしまうと、後で泥沼にはまる場合もあります。  特にはまりやすいのは「整数の四則計算」のように「予備知識が少なくてこなせるもの」です。


 どういうことかと言うと、「整数の四則計算」で必要な予備知識は、単純に「足す・引く・かける・割るの計算が出来る」ということ。それさえ出来れば、そこに「かける・割るを先に計算する」とか「( )を先に計算する」という事を教えるだけで、とりあえずほとんどの子は、その場できちんと答えを出せるようになってしまいます。もちろん、おそらく学校でもほとんどの子は、教えられたときは、その場で出来ていると思います。

 ところが、以前の釧路の全国学力テストの結果を見ると、なんとこの「四則計算」の正答率は50%程度。約半数はテストの際に出来ていないのです。


 どうしてかというと、理由の1つ目は、  簡単に出来てしまうので、子供達も「これは簡単だから大丈夫」と安易に考えて、記憶に残りづらい。

 そしてもう一つの理由は、  こういった作業に関する内容は、反復練習をしてしっかり身につけなければ「いつでもどこでも出来る」とはならない。 ということなんです。


 ですから、教えたときには、出来ていても、1週間や1ヶ月経った後にもう一度やらせてみると、教えてもらったことをすっかり忘れて、例えば2+3×5のような式の計算を「式の最初に書いてある足し算・引き算から先に計算してしまう」ということが起きる可能性が非常に高いと思って下さい。決して「学校の先生より私の方が教え方がうまいわ」と思ってお母さん自身が有頂天にならないこと。お母さんが教えて出来る事は、当然、学校の先生が教えても出来ると考えておいた方が間違いありません。


 ただ、気をつけなくてはならないのは、こういった反復練習で身につける内容を習っているにも関わらず、宿題も出さず、家庭での練習をおろそかに考えているような先生に当たった場合は、子供さんがピンチです。お母さんの方で、勉強内容(特に算数の計算などの、後に重要になってくる内容)を忘れていないかどうかチェックをして、忘れているようであれば、もう一度練習させ、今度は、完全に子供さんが身につけるまで、何度も反復練習してあげましょう。


 また、学校での様子を聞くと、このような簡単な内容で子供達が出来ると「俺は教え方がうまい」と思い込んでしまう教師もいるようですし、酷いのになると、このような反復練習が必要な内容というものが存在する事すら知らず「出来るやつは宿題をやる必要がない」と思っているような、全くの素人レベルの教師もいるようですから、その辺は、お母さんの方で担任の感覚を見極めてあげて下さい。

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