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「落ち着きのない子」は「隙を作らない」

今回も「前のホームページ」に載せていた内容から。


 小学校低学年、特に男の子の場合、「うちの子、落ち着きがないんです」というお母さんからの相談を受けることがあります。そういう子に勉強させる場合、自分は「その子の落ち着きのないレベルより、さらに落ち着きがなくなるくらい矢継ぎ早に、あれをしなさい、これをしなさいと言う」という方法で対処しています。

 一見、お母さんの希望の「落ち着いて物事に取り組んで欲しい」という願いと逆方向の指導のように感じてしまうと思いますが、実は、この方が問題に集中して取りかかるようになるのです。

 子供さんの落ち着きがない状態というのは、本来、他のものに気を取られてしまうから起きるもの。ですから、その「隙」を作らないように、他のものに気が散ってしまう前に、次にやることを指示してあげるのです。そして、そうやって集中する時間を徐々に長くしてあげると、年齢が進むにつれて、だんだん、落ち着いて複雑な事にも取り組めるようになっていくのです。

 子供さんが落ち着きがなくて悩んでいるというお父さん・お母さんは、たいてい、子供さんを注意するときの話し方などが子供さんの反応ペースより若干遅めになっています。そして、おそらくは、このギャップから生まれる「話を最後まできちんと聞かない」「人が話している最中に余計な事を言い出す」などの子供さんの行動が、お父さん・お母さんの不安材料になっているのではないかと思います。そして、落ち着いて物事が出来るようにしてあげようと、ゆっくりと話したり、ゆったり行動したりして見せても、どうしてもうまく行かないと悩んでしまう、という流れになっているのではないでしょうか。


 そして、実は、しっかりした学校の先生あれば、子供たちの落ち着きのない状態を作らないようにするため、同様の「隙を作らない」という方法で対応しているんですね。

 ですから、ここは「落ち着きのない=反応が速い」という「いい面」として捉えて、その部分を伸ばしてあげようと考えると悩まずに済みます。落ち着きは年齢が上がるとだんだん出てくるようになりますから、それまでは、うんと落ち着きのない状態で過ごさせてあげて下さい。

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