top of page
  • markun5

「知識の後付」は「禁止事項」

 思考力が「知識を使う力」であり、知識がなければ思考力が育たないということであれば、授業の進め方も「まず知識を与え、それから考えさせる」という手順を取るのが当たり前ですよね。

 ところが、学校の先生にはありがちなのですが、問題演習を行う際に、まず生徒にやらせてから「ほら、ここはこうすればいいでしょ」とか「ここはこうしなきゃダメだよね」と得意になって後から知識を教える先生がいます。塾ではこれを「知識の後付」と言い「禁止事項」なんですね。


 そして、この「知識の後付」を行っている場合の見分け方は「生徒が何をしていいのか、分からない」という状態になっているか、いないか、で判断するといいでしょう。塾では生徒が「何をしていいのか分からない、という状態を作らない」ということを前提として授業を構築しますから、基本的に「知識の後付」はなくなっていきます。だから、プリントなどを用意して「始め!」と言うと、生徒はまっしぐらに問題に向かって集中していく姿勢に自然になって行くわけです。

 お父さん、お母さんのイメージで、塾はみんなが必死になって勉強している、というものがあると思いますが、何の事はない、授業の構築の仕方が違うだけなんです。

 生徒の集中力が無くなったり、授業が面白くないというのは、実は、この点にあります。後ろや横を向いてちょろちょろする生徒が出てきたら、これは「知識をしっかり与えていない」と判断していくと、授業力があがります。中には「どこまでが知識で、どこからが思考力なのか、分からずに授業をしている」先生もいると思いますが、その区別は「生徒の姿勢」を見ると分かります。基本的に授業の善し悪しは「生徒の姿勢」で判断すると、いいんですよ。


 実際に学校の先生が書いた本を読んでみると「問題解決学習」や「アクティブ・ラーニング」と称しているものの中に、この「知識の後付け」を行っているものが非常に多いんです。極端な話をすると、この「知識の後付けがダメ」ということが分かっている先生の立場で見ると「先生がきちんと教えられないから生徒に丸投げしている」ようにしか見えないんですよね。


 自分が「問題解決学習」や「アクティブ・ラーニング」について懐疑的に捉えているのは、実はこの「生徒に丸投げ」状態の授業を行っている部分が平然と本の中に書かれていて、それを「いい授業」だと思っている部分があるからなんです。

閲覧数:9回0件のコメント

最新記事

すべて表示

説明は一気に最後まで

子供にキチンと話を聞かせられるようになったら、次のステップは「よどみなく最後まで説明しきってしまう」こと。 例えば、お母さん方でも、経験があると思いますが、誰かと真剣に話をしていたとき、ちょっと電話が入ったのでそちらに出てから、もう一度、さっきの続きを・・・と思ったとたん、「どこまで、話しましたっけ?」と言いだし、結局、その後は、あまり話しに乗り気にならず、白けた感じで終わってしまったこと、ありま

計算は「正確に、速く」

計算は「速く正確に」と言う言葉をよく聞かされていたと思いますが、これは、非常に重要です。現在の子供たちは、「思考力を強化」などと言われ、時間に余裕を持たせられる事が多いせいか、計算のスピードが非常に遅くなってきています。 ところが、こういった単純作業のスピードアップはとても大切なことで、天才と言われた野口英世やアインシュタインなども、実験や計算のような作業の速さと正確さは、他の追随を許さなかったと

説明ポイントは、一問につき一つが原則

お母さんが勉強を教えていて、子供さんが「分からない」と言ったり「分かった」とは言うものの、少し怪しい感じになっているときは、大抵、答えを出すまでの手順をいっぺんにやってみせて「この通りにやりなさい」というときに多いのではないかと思います。 実は、よほど、能力の高い子供さんでなければ、いっぺんに2つも3つもの勉強内容を覚えるのは、ちょっと難しいんです。だから、いざ、子供さんに問題を解かせて出来なかっ

記事: Blog2_Post
bottom of page