今回も2013年に書いた内容です。
学力向上反対派が次に言い出したのは「秋田県は自殺率が高いから、学力を高くすると自殺するようになる」という、とんでもない話。それが全くの筋違いの話だということをデータを元に確認したときの内容です。
<「学力が高い秋田県が自殺率が高い~学力を高くすると自殺率が高くなる」の誤謬>
あまり知られていないかも知れませんが、秋田県は自殺率(人口10万人に対する自殺者数の統計)で27.99(平成24年統計)と全国1位です。そして、これを学力問題にすり替え、勉強させると自殺者数が増えると、とんでもないことを言い出す人がいます。 この点については、ここで決着をつけておきましょう。
実は、秋田県の自殺者が多いのは高齢者で、30歳未満の、いわゆる若年層については、全国平均を下回る数値なんですね。学力テストとの関連で行けば、1960年代に行われた学力テストの都道府県別の順位で、秋田県が最下位だった頃の年齢層の自殺者が多い、ということで、現在行われている学力テストで点数が高いから自殺者が多いなんて言う結論は、全く的はずれな話なんです。むしろ、学力の低い世代の自殺者が多い、というのが本筋なのではないでしょうか。
そこで、平成24年の統計を元に、一部の都道府県の状況を確認してみました。
北海道 20歳未満〜0.55 20〜29歳〜2.70 秋田県 20歳未満〜0.46 20〜29歳〜1.84
ということで、現在は、若年層に当たる層の自殺者は、北海道の方が多く、全国平均を上回っています。
ちなみに、秋田県と同様、学力テスト上位である富山県は
富山県 20歳未満〜0.28 20〜29歳〜1.84
と、20未満は秋田県より少なく北海道の約半数、20〜29歳では、秋田県とほとんど同じ。
学力が高めの石川県も富山県とほぼ同様の数値です。福井県はさらに減ります。
ここで、今まで話題にあまりならなかった山梨県を見てみましょう。
山梨県 20歳未満〜0.58 20〜29歳〜2.22
さて、山梨県、思ったより高いですね。で、なぜ、山梨県を出したかというと、ここ、日教組が強いんですね。
学力の高めの地域は、視察に行った市会議員のお話を聞くと、義務教育で「当たり前のこと、やるべきことをきちんとやる」ということを先生が非常にしっかり意識しているんだそうです。それに対し、北海道・山梨県は、何かちょっとでも教員の負担が増えるようなことを言うと組合が出てきてグダグダ文句を言うことが多い地域です。
そして、子ども達は、そういう大人の背中をみて育っていると思うんですね。だから、よく教師が言う「生きる力」というやつ。子ども達を自殺させない、という観点からみると、目の前にいる教師がやるべきことをきちんとやっているところをしっかり見せてあげることが「生きる力をつける」という事になるのではないか、ということです。 ですから、「生きる力」なんてご大層な事を言うのであれば、口先だけであれこれ言うんじゃなくて「実際の行動で示せ」「やることを、きちんとやる」ということなんですよ。
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