福沢諭吉と言えば、著書の「学問のすすめ 初編」の冒頭、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」で有名ですね。教科書にも載っていて、人権思想の「人間の平等を説いている」と解説がついていたりします。
でも、この解説、ちょっとおかしくありませんか? という話です。
実際に「学問のすすめ」を読んでみると、実は平等を説いているのとはちょっと違っていて、この「人の上に人を作らず」の後に続く文章は、実はこうなっています。
〜(中略)〜されども今広く人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるものあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるはなんぞや。〜(中略)〜されば賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとに由って出来るものなり。
要するに、生まれてきたときはみんな同じなのに、賢い人と愚か者の差が出来るのは勉強しているかしていないかの違いだから、一生懸命勉強しなさいと「学問のすすめ」をしているんですね。 ちなみにこの文章、一般の人も読むことを想定して、皆に分かりやすい文章で綴ったと本人が「学問のすすめ 五編」で語っていて、発行部数は当時の人たちの160人に1人が本を持っている割合になるそうです。大ベストセラーですね。
それじゃあ、なぜ「学問を頑張りましょう」が「みんな平等なんですよ」の話にすり替わったのでしょう?
ということで、勘のいい方はもう気づいたのではないでしょうか。これ、実は、少し前に書いた「学力向上に反対する人たち」に歪められたんです。要するに「勉強一生懸命頑張らろう」では、学力が高くなってしまうから「平等っていう話にしようよ」と言うことなんです。
この説明、たぶん、今のお父さんやお母さんも「平等」の方で習っているはずですから、相当前から、この「学力向上反対」の人たちが暗躍していたんですね。
ですから、学校で習った通りに考えていた人は、ちょっと考えを改めてください。そして、洗脳教育からの呪縛から離れていってほしいと思います。
じゃあ、最近では、こういう「教科書内容の改ざんは行われていないのか」ということですが、実は、数年前にもこんなことがありました。
学校の歴史で「五か条の御誓文」という用語を習います。これは、お父さん、お母さんもこの通り習ってきたと思います。内容は、明治維新の際、天皇が神様に誓う形で「誓いの言葉」を述べたもの、ですね。そして、これは知っておくと役に立つので覚えておいて欲しいのですが、ニュースや新聞記事で「敬語」を使うのは皇室関係のみ、という約束になっているんです。
ところが、この学力向上反対の人たちは「共産系」ですから「天皇」のことが嫌いなんです。それで、天皇にいちいち敬称を付けるのはおかしい、という主張から、この「五か条の御誓文」の「御」の字を取ってしまえ、と、子供たちに「五か条の誓文」と教えだしたんです。要するに、用語を改ざんを行ったんですね。一時は、本当に「五か条の誓文」と教科書に記載されていたこともありました。
今では、教科書も従来通り「五か条の御誓文」となっているはずですが、万が一「五か条の誓文」と教えている教師がいたら、これは「おかしな共産系の先生」と思って、少し警戒していてください。
警戒というのは、この人たち、以前、ゆとり教育時代には「戦争に行った爺さんは人殺しだ」と言い出し、生徒に向かって「お前のおじいさんは人殺しだぞ」と授業中に平気でそう教えていた教師たちなんです。この人たち、物の考え方がおかしいので、いきなり何を言い出すか分からない、危ない人たちなんですね。
そういう意味で「警戒」ということです。
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