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「パターン認識」の基本は「基本の組立」と「すり替え」

 前に「パターン認識」の話を書きましたが、それを一歩進めると、一般的に小中学生で身につける思考は「基本の組立」と「すり替え」が基本になります。

 「基本の組立」と言うのは、小学生で言えば「まず、始めに全体の面積を出して、その次に必要のないところの面積を出して、あとで引く」というような「一つ一つの基本を組み合わせて、最終的に答えを出す」というタイプ。中学生で言うと「関数」関係の「最初に式を求めてから、そのあと座標を出す」という手順を踏むタイプの問題がその最たるものでしょう。

 また「すり替え」というのは、小学生で言うと、最も単純なものでは「リンゴとミカンがチョコレートとガムに変わっても、同じように計算式を立てる」というものから、ちょっと複雑になると「割合・もとの量・くらべられる量」を文章を読みとって、基本例題のどこに当てはまるかを考えること。中学生であれば「方程式の文章問題」などがそれに当たります。

 さらに問題が難しくなると、この「基本の組立」と「すり替え」の両方が必要なものになっていくと考えて下さい。基本的には、この二つの方法以外のものは、そう多くはありません。

 そして、ここで大切なのが、どちらの方法でも「最低限の基本が身に付いていないと考える事が出来ない」ということです。最近では、全国学力テストの結果の分析などで「思考力不足」を訴えていますが、多くの場合、思考力不足の原因が「基本が身についていない」ということだと思っていても構いません。子供さんが「考えられない」という場合は、どこかの基本が欠落していて手が出ないと考えていいでしょう。もちろん、こういうタイプの子は、先生に説明されても、その根本の基本が身に付いていない場合、理解はできません。

 大人になれば「基本の組立」は、論理を組み立てていくということで、自分の考えていることを相手にきちんと伝えたりするのに大切になりますし、「すり替え」は、うまく行かないところを、他の分野の内容に「すり替えて」解決していくという、今までにない「新しいものを生み出す」ために必要になります。ですから、学校の勉強を題材に、しっかりとした思考力を養うということは、とても大切なことだと思って下さい。

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