今回も以前のホームページの内容から。若干修正を加えています。
勉強関係の本を読んでいると「分かる」と「できる」は違う、という話が出てきたりします。そういう話の場合、大抵は、子供さんに向けてのメッセージで「『分かる』だけではちゃんと問題は解けるようになりません。『できる』ようになることが大事です」というような話になっています。
そして、これは教える側においても同じこと。「分からせる」と「できるようにする」は別物なんだ、という話です。
「学校の先生の説明はちゃんと聞いていて分かっているようなんだけど点数が取れない」というお話もお母さんから聞く機会が多いのですが、実は「わかる」と「できる」は似ているようで微妙に違うのです。
子供さんの中にも「後で先生の説明を聞くと分かるんだけど、実際に問題を解こうと思うと解けない」と言う子が多いのですが、それも「わかる」から「できるはず」なのにどうして解けないんだろう? という疑問から発している場合がほとんどです。
ところが、「わかった」後にその内容を使って「できる」ようになるためには、それなりの練習などが不可欠なんですね。要するに、習った内容が手順通り、きちんと頭から出てきて、問題が出来るようになるんです。
同じように先生の立場からでも「あれだけ教えているのにどうして出来ないんだろう」「教えた時にはちゃんと出来ているのに、どうしてすぐに出来なくなってしまうんだろう」と思うことがあると思うのですが、それは「わかる」に標準を合わせた授業になっていて、「できる」というところまで踏み込んでいないのが原因である場合が多いのです。
ですから、先生の立場からみても「教える」と「できるようにする」は似ているようで違うのです。上記のように、出来るようになるまで繰り返し練習させて、初めて出来るようになるんです。
ここに違いがあると言うことが分かっているだけで、子供さんに勉強を教えていて親子喧嘩になったりすることが減少するのではないでしょうか。「さっき言ったでしょ」と一回で物事が出来るようになるだろうと考えていると、子供さんのやることにイライラしてしまって、親子喧嘩になってしまうということが増えると思います。
「勉強を教えてもあまりうまくいかない」と思っている方は、この感覚をふまえて今までとちょっと視点を変えて取り組んでみて下さい。基本は「出来るようになるまで、何度も練習」。何度も繰り返してもうまく行かない時には、その前の段階に戻って、練習。その繰り返しになります。
実際に、学校の先生の書いている本を見ると「こう教えればわかる」式のものが多いのですが「理解」にこだわりすぎると、逆に、子供たちの脳が拒否反応を起こしてしまって、かえって出来なくなってしまうということもあります。ですから、ケースによっては理解にこだわるよりも手順を覚えて「とりあえず出来る」ようにしておいて、後から「理解を寄せてくる」という方式の方が手っ取り早いということもありますから、変に「理解する」ということに、こだわり過ぎないようにしてください。
ちなみに、自分がこのブログに記載している内容は、どちらかと言うと「できる」の方に相当するものが多くなっています。
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