これも2017年に書いた内容です。
<授業の最初と最後にきちんと話すことになっているようなんですが・・・>
全国学力テストの授業アンケートの中に「毎回の授業で、その日に学習する内容を話している」〜いわゆる「今日のめあて」を話している、というのと「授業の最後に、その時間で学んだ内容を確認する」〜いわゆる「今日のまとめ」を話している、という項目があるんですが、ご存じでしたか?
アンケートの結果だけを見ると、各先生方、きちんとやっているという事になっているようなんですが、ただ、学力的にどうなのか、というと、いまいち、効果が上がっていないようなんですね。結局、どのタイミングで、どのような事を話すか、という「話す内容」がしっかりしていないため、ただ単に「今日はこう言うことを勉強しま〜す」や「今日はこういうことを勉強しました〜」と言っているだけだと思うんですね。これだと、ハッキリ言って、効果はあんまり無いんですよ。
そこで、どのような言い方が望ましいか、というと、まず、その授業の目標になる「めあて」については、前の授業の最後に話をするんです。「次は、こういう勉強をしますから、こういう準備をしてきてくださいね」とか。1つ前の「朗読」の項目でも書きましたが、あらかじめ、次に何をするか、と言うことを話しておけば、予習する子も出てきますし、うまく行けば休み時間中に「そう言えば、今日、この勉強するんだって先生が言ってたよね〜」と生徒が話すようになったりしますから、授業前の段階で、しっかり「心づもりが出来ている」状態になっていたりします。けれども、その時間になって、いきなり「今日はこれをします」と言われたところで、生徒の方は心づもりも何も出来ていないでしょう? そんな状況で勉強を始めても効果は薄いですよね。
そして、その日の授業の前に話す「めあて」は、前の授業の最後に話をした内容の繰り返しと、今日の勉強の難易度を話す。「今日は難しいからしっかり話を聞こう」とか「今日は、比較的易しい内容だから、早く正確に出来るようにするのが目標だよ」といった内容になります。そうして、勉強に向かう姿勢を作るんですね。
それでは、もう一つの「まとめ」についてはどうかというと、もちろん、授業でやった内容の事はお話ししますが、当然、それだけではありません。今日勉強した内容が、次の授業にどのようにつながるのか、特に「算数・数学」などの積み重ね科目では、その積み重なり方が分からないと、その日にやった内容がどのくらい大切なのかが分からなかったりするので、きちんと、その流れをお話することになりますね。 そうなると、当然、今日やった内容と合わせて、次に勉強する内容も話すことになります。そこで、次の勉強の「めあて」と言うことになってくるんです。
もちろん、そのときに、家での勉強をどのようにしたらいいのか、という事も合わせてお話しすると、いいですよね。そうすると、次の授業も分かりやすくなってきます。
もちろん、サボり癖のある子は、何を言われてもきちんとやって来ない、なんていうこともあるでしょう。でも、そうやってお話をしていく中で、きちんとやっている子も当然いるわけですから、そういう子を取りこぼさないことが大事になるんです。
前の「○つけ」の話でも書きましたが、サボり癖のある子でも「出来るような気にさせる」ということは、小学校の低学年くらいまでで、小学校の高学年になったら、もう必要ありません。逆に「サボった分だけ出来なくなる」という感覚を持たせた方が、中学・高校と先に進学したときに困らずに済みます。ですから。小学校の中学年あたりから、勉強にむけてしっかりした感覚を持たせるようにしていってください。
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