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  • markun5

漢字検定や算数・数学検定の使い方

 「漢字検定」や「算数・数学検定」を目標に勉強を進めている方もいらっしゃると思いますが、勉強の一環としてきちんと利用できている方はいいのですが、中には、逆に学力向上の妨げになってしまいうような勉強のさせ方になってしまっている方も。

 そこで、ここでは、検定の扱い方について、お話しようと思います。


 そこで、まず「漢字検定」や「算数・数学検定」「英語検定」の根本的な性質を理解しておかなければならないのですが、ここに出てくる3つはすべて「技能検定」なんです。もっと分かりやすく言うと「日頃、使いこなしていく、基本的な技能」がどのくらいあるか、ということを調べる検定であって、これを勉強したところで「考える力が身につく」というものではない、ということです。


 そして、基本的な「技能」ですから、これは普通に勉強していると「普通に身につくもの」なんです。となると、その「基本的な技能が身についているかどうか」を判断するためのものですから、極端な話、特に勉強などせずに、そのまま受けに行けばいいだけの話なんです。そこで、普通に身についているはずのものが身についているかどうかを判断すればいいだけのこと。

 特に「算数検定」に関しては、該当学年が終わったら、その段階で受けに行けばいいだけの話です。


 そして、もしも、その該当学年の内容を身に着けていないとしたら、それは明らかに、あらかじめ身に着けておかなければならない技能が身についていないわけですから、検定に合格することを目指して勉強するのがいいでしょう。そういう子は、放っておいてもなかなか自分から勉強しよう、とはならないですし、単純に「技能」に関する内容ですから、練習によって克服できる内容でもあります。ですから、ある程度「強制的に勉強させる」ということが必要になってくるケースが多いと思います。


 そして、もしも、該当学年よりも上の級を受ける状況と言うのは「漢字検定」を例にとると「本が好きで漢字などは、該当学年よりももっと上の内容を知っている」となったときに受けに行けばいいだけ。「算数検定」で言えば、中学受験などを目指していて、日頃から該当学年よりも上の内容を勉強している子が挑戦すればいいだけ。

 要するに、日頃勉強している内容が、上のレベルになっているケースのときに、上のレベルの検定を受けるようにする、というだけです。


 ところが、この「検定の勉強で、最終的に失敗」という状況になっているケースは、日頃勉強している内容で無いにも関わらず、単に「検定に合格することを目標にして上のレベルを受験しようとしている」というケースなんです。

 これが、かなり時間の無駄。

 というのは、そのまま該当学年になって受験すると、特に勉強しなくても普通に受かる内容を「無理して時間をかけて勉強する」必要がないからです。ましてや、そうやって無理して上の内容を勉強して受かったところで、周りの子が該当学年になって普通に受験して普通に受かってくるわけですから、その段階で何の差にもなりません。

 そのくらいだったら、普段の勉強のレベルを上げるなどの方法で、別の事を勉強させた方がずっといいんです。


 さらに言うと、こうやって無理して勉強させている子は「技能を身に着けることが勉強」という感覚になってしまい「自分で考える」という部分が他の子よりも劣ってしまう場合が多いんです。そうなると、上の学年に進むほど、だんだん、勉強内容についていけなくなり、結果、平均以下とか、「国立大学進学を目指して、早いうちから勉強させていたけど、結局、ダメだったね」という結果になりやすい、と思っていてください。

 割と勉強熱心な家庭で、こういう失敗をしやすいと思います。

 自分が受け持った子でも「無理やり検定」とやっている子は、お父さん・お母さんが思っているほど、勉強が出来るようになっていないんです。ですから、ここは注意していてくださいね。

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