<読書をきちんと出来るようにするためには>
国語の勉強と言うと「どうやって勉強していいかわからない」という人も多く、たいていは「漢字の練習以外まともにやったことはない」とか「とりあえず、読書をすれば何とかなる」というふうに思っている人も多いのではないでしょうか。
でも、実は、そんなに甘いものではないんですね。
ただ、あまり大きく話を広げてしまうと、的を絞れなくなってしまいますから、今回は、北海道公立高校入試レベルの問題について、どのように対処していくべきか、という事をお話しようと思います。難関私立高の入試や大学入試にかんする話は、また、別の機会に。
それで、北海道の公立高校入試の問題って、裁量問題であろうがなかろうが、すごく易しいんです。ですから、よく、受験のテクニックとして「先に設問を読んでから、問題を解く」というような事を言われますが、そんな事をする必要はありません。そういうのは、難関私立などで行ってくれればいいことです。
そのため、自分が生徒に話しているのは「元々、国語の問題というのは、文章を一通り読み終わった後、きちんとその内容を把握して読んでいるかどうかを確認するためのものなんだ。だから、せいぜい文庫本で2・3ページ程度の文章なら、その内容をきちんと頭に入れて本を読んで行かないと、結局、その本の内容が掴めず、その本を読んだことにならないから、こういう問題が設定されているんだよ」ということ。そして、それに続けて「最初にきちんと問題の文章を読んで、その内容をある程度きちんと頭に入れた状態で問題を解きなさい」と指示しています。
もちろん、設問を読んだ後、答えを書くときに本文に戻って確認しながら問題を解きますが、一度、読んであるので、だいたい、どの辺に答えが書かれているかという見当をつけやすい。
ただし、一度読んでも、その場所がわからず、オロオロしているようであれば、それは読書の質が悪い、という判断をするんですね。ですから、時間を計って、比較的スムーズに解答が出来ているか、そうでないかで、生徒の読書の質が分かります。文章把握の問題はこうやって対応します。
それと合わせて、知識系の問題。例えば、漢字・語彙・文法・文学史系などに触れます。ここは知っているか・知らないかの勝負なので、それは知識として頭に入れればいいでしょう。
さて、ここで言いたいのは、単に「テストの問題で点数を取れるようにする」というところに視点を当てるのではなく、後々「他の人から、どのような事を聞かれてもすぐに対応出来るように、文章をきちんと読む」という習慣をつけて「読書力を上げる」というのが大事なカギになります。要するに、入試の問題に出てくるようなレベルのことは、普通に読んでいるだけで頭に入っている読書レベルにすること。設問で出てきた内容を見て「あれ? これ、どうだったっけ?」と思うようであれば、これから先は、そういう雑な読み方をしないようにしていくこと。
逆に言うと、ここが出来ているかどうかで、北海道公立高校の国語の得点力が決まります。いくら受験のテクニックを使おうが、元々の文章をきちんと読めるようにならない限り、国語の得点力は変わりません。
ましてや、設問にかいてあるところを探しながら読んでいるようでは、全体の文章内容の把握も出来ない〜ここで点数が頭打ちになりますし、極端に言うと、そういう読み方をしていて読書が好きになるとは、到底、思えないのです。
ちなみに、きちんと読めていない場合の一番大きな原因は「読み飛ばし」。文章をきちんと読んでいるつもりで、実は頭の中を素通りしているだけになっている場合。
それで、このパターンになりがちな子、というのは「黙読がきちんとできない~常に声に出して読んでいるような読み方」になっている子。なぜかと言うと「その場、その場で出てきた漢字などの字を読む方に頭が行ってしまって、文章全体の内容を把握できなくなってしまう」んです。よく学校でも、息継ぎもそこそこに「早口でペラペラ読む子」がいますが、こういう子って、実は、あまり国語ができるようになっていかないんですよ。今回の公立高校入試くらいであれば、それでも何とかなるかもしれませんが、ちょっと難易度の高い文章になると、極端に頭がついていかなくなります。やはり、焦らなくてもいいから、内容をきちんと把握しながら読む子の方が、最終的に圧倒的に国語力が高くなります。
もう一つは、当然ですが「語彙」。単に意味が分からなかったり、意味を取り違えていたりして、全く、違う方向の結論を出してしまう場合です。ですから、きちんと読めていない子については、下手なテクニックを教えるより、「語彙」の知識量を増やすというのが、遠回りのようで最短距離になります。
また、要約など、字数が多めの筆記問題に対応出来ていないのは、単に「書き」の練習不足です。大事な部分を箇条書きにするなりして、自分なりのまとめかたを身につけていれば、実はそれほど躊躇しなくても比較的スムーズに対応できます。公立高校入試などでは、問題自体に「ある程度、内容をまとめたもの」が書いてあって「そのまとめの文章の穴埋め」になっているものもあります。
これが難易度が上がってくると、その「まとめの作業」自体を自力でやる、ということになりますから、できれば、その手順などを教えておくといいと思います。
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