新指導要領になって、道徳の時間が復活し、学校の先生方の中では「道徳の授業研修」なども行われているようですが、以前は、こんなこともありました、という話。
<標準は年間35時間>
兵庫県のある中学校の平成13年度の授業で、年間35時間(週1時間のペース)の授業時間が標準とされる道徳を、中2・3の学年で、年間2時間しか行っていなかった事が判明。他でも10時間を下回る中学校があり、この市の中学校の道徳の平均授業時間は、中3で16.1時間になっていたそうだ。教育委員会も「道徳の軽視につながると指摘されれば否定できない」と、なんとも情けないコメントを出している。
そして、この足りない時間数分は、平成14年度から行われる「総合的な学習の時間」の取り組みに当てたと称している。
それにしても、この学校の先生や教育委員会は、授業時間数がどうして決められているのか、真剣に考えた事があるんだろうか? 少なくても、子供達に必要な事をするのにこれだけの時間数が必要として、決められているはずなのにね。
それから、もう一つ。
この時間数不足は、道徳の時間だけじゃないはず。自分の経験では、前に書いたように、英語や数学の時間が足りなかった例も聞いた事があるよ。
ただでさえ、普通に教えただけでは身につかない子に、いろんな指導法を導入して、一人でも多く理解してもらおうと考えているときに、肝心の授業時間数を勝手に削ってしまっているんじゃ、目も当てられないよね。
また、自分のところにメールを送ってきて「授業だって、決められたことを決められたとおりにするのは面白くないでしょ」と言い、勝手に別の時間に振り替えた授業をやって「俺の指導は素晴らしい」的なことを言ってきた人もいる。この人、某市の指導主事だっていうんだから、目も当てられないというか・・・・。
心ある先生は「生徒にキチンと教えるには時間数が足りない」とぼやいているくらいなのに、どうしてこんな事がまかり通ってしまうんだろう。
どんな理由があろうとも、必要な事をキチンとせず、独断で他の時間にふり当ててしまうのは「独善」にしか過ぎない。親も子供も、振り替えてやった授業に対しては感謝してくれるかも知れないし、そのときは先生もいい気分になるかも知れないが、抜けている学習内容があれば、後々、上の学年や学校に進んだときに、その子や親が苦労する事になる。
今でも、小学校でキチンと身につけずに来た単元で苦労している中学生が非常に多いんだよね。時間数がキチンとしていても、この通りなんだから・・・。
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