よく言われる「楽しい授業」。
「楽しいから学力が上がる」などというのをうたい文句に生徒を集めている塾なども少なくないようです。ですが、この「楽しい」と言う言葉、もちろん先生の雰囲気が楽しい雰囲気であるというようなことも中に含んでいるとは思いますが、基本はなんと言っても「できる」と言うこと。できないものを無理矢理やらされていたら、生徒だって楽しい思いなどできるはずがありません。
よくスポーツ選手が「試合を楽しむことが大切」ということをコメントしていますが、それは、試合を楽しむだけの実力があるから可能になっているということ。そして、その実力をつけるために非常にハードなトレーニングを積んだり毎日決まった練習メニューを休まずこなしていたりするのも周知の事実。
すなわち、「楽しめるレベル」になるためには、そういった基礎の積み重ねやハードなトレーニングが不可欠なのです。
勉強もこれと同様。
「楽しむ」ためには「楽しめるレベル」まで実力をつけなければならないんですね。
例えば、漢字の読めない子は読書が好きになれません。読んでいて、意味の分からない言葉がどっさり出てくるようでは、楽しめないのは当たり前です。
また、地理がおもしろくないと言っている子はたいていどこに何があるのか地図で探せません。「札幌はどこ?」と聞いたとき「北海道の真ん中にあると思い」旭川あたりを指さすような子では地理を好きになれるはずがないですよね。
だから、勉強を好きになるためには最低限の基本的な知識がしっかり身についていなければ子供たちはその授業を「楽しい」とは思えませんし、その基本的な知識を身につけさせて「楽しめるレベル」に達するまでは、ある程度苦しい思いをする事になります。これは、しようがないことなんです。
そして、この「楽しめるレベル」に到達していない子まで「楽しんでもらおう」と考えているならば、それは「授業中」に笑い話をしたりして、生徒に媚びるしかないんですね。
ゲームにしても、絶対クリアできないレベルのゲームをやっていて「楽しい」とは思えないでしょう。ゲームは最終的にクリアできるから楽しいということです。
勉強も同じ。最終的にできるようにならなければ、本当の「楽しさ」は理解できずに終わってしまいます。そして、できるようにするためには、さぼったり、適当に物事をやってしまうときなどは、厳しい態度をとることも辞さないという姿勢で、教える側が「楽しめるレベル」になるための基本をしっかり身につけさせなければならないと考えてください。
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